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解任の正当理由と大株主の承諾に基づく取締役の行為

2019年04月30日事例

 取締役の行為が大株主の承諾に基づいてなされることがあります。とくに小規模閉鎖会社では、大株主が取締役の行為に逐一承諾を与えることや、大株主が取締役の行為に逐一指示をすることが珍しくありません。ところが、そのような大株主の承諾に基づく取締役の行為が解任の正当理由であると裁判上主張されることがあります。
 一般的には、大株主の承諾に基づく取締役の行為は解任の正当理由になりません。というのも、解任の正当理由とは「役員に職務を執行させるにあたり障害となるべき状況が客観的、合理的に生じた場合」をいいますが、大株主の承諾に基づく取締役の行為が職務執行上の障害になるとは通常いい難いからです。
 そのため、会社側は、真実は大株主が承諾を与えていたにもかかわらず、真実に反して大株主は承諾を与えていなかったという虚偽主張をすることがあります。会社側としては、取締役側が大株主の承諾があることを示す証拠を持っていないだろうという訴訟戦略のもとで虚偽主張をしていることになります。
 しかし、取締役側は、会社側の虚偽主張を覆す反証活動をすることになりますし、そもそも虚偽主張はストーリーに無理が生じがちです。そして、取締役の行為が大株主の承諾に基づくことが明らかになると、解任の正当理由は否定されることになります。